正直言って、私は鈍感です。

女子校。

ある朝、登校すると机の中に食べ物と私の似顔絵を描いた紙が
入っていた。

友達に聞くと「バカ、これって好きって事やん！」

「そうなん？嫌がらせか」と思った。

音楽の授業、別室で歌のテスト後

机に戻ってくると、音楽の教科書に「愛してるわ」と書いてあった。

鉛筆✏️で、書いてあったので消しゴムで消した。

誰が書いたか、周りの子らは、知ってる

誰なん？

恋文もらって
ようやく分かった。

その子が電話番号教えてほしいと、言ってきた。
私には、そういう気はなかったので、嘘の電話番号を教えた。
悪いやっちゃ

翌日、その子が「ドキドキしながらかけたのに、嘘の電話番号教えやがって〜！！」
怒ってきたけど、私はヘラヘラして笑い、結局本当の電話番号教えんかった

だって、その気ないから

また、机の中に何か入ってる
ノートをちぎったものに
〇〇（私の名前）を好きになった理由と書かれてる

「無視される度に、踏み潰された芋虫のような気分になる」

ちょっと、可哀想かなあと思った。

でも、その気はない…たぶん

体育の水泳で下手くそに泳いでいた時も、大きな声で「〇〇がんばれーーーーー！」
その子の声や。

慌てふためいて、水面から顔出したら
こっちに手を振っている

たった一人だけ、応援してくれている。

その気は…無いはず
多分。

朝、登校中いつも後ろから背中に
人差し指で、ツンとしてくる。
そして、通り過ぎていく

なんか自分の気持ちに偽ってる気もしてきた。

無視すればするほど、だんだん気にしてきた。

ある日突然、その子が私の名前呼びながら走ってきて
ハグしてきた、勢いあってちょっと倒れそうになった。
「〇〇ーー！」
誰もいない階段の下やった。

初めてドキドキした。

初恋は、女の子かあ⁉︎
ウソやろ

沈黙が流れる

「じゃあね」っと、また走って行った。

初恋やった。

卒業式の日に、告白しようと思ったら
その子は、来なかった。

あの時の「じゃあね」が、最後だった。

大切なものを失った事に
鈍感な私は、最後に気づいた
本当は、好きだった事に。

今でも、その子の夢を見る
好きだったんだなぁ

どんちゃんのバカだ
（鈍感）